僕のフィールド – 屋久島
僕のフィールド・屋久島は1993年に世界自然遺産として登録されました。
屋久島は鹿児島から約60km離れたところに位置する離島で、標高1,000mを越える山々が切り立つ(最も高い宮之浦岳は1,936m)ほぼ円形の島です。
面積は約505km²で日本で9番目に大きな島になります。
屋久島を含む大隅諸島はとかく琉球列島の1つとして扱われがちだけど、琉球列島は奄美以南を指し、生物地理学的にも屋久島の生物相はそれらとはまったく違います。
島全体が丸ごと花崗岩の一枚岩でできた屋久島は平地がとても少なく、切り立った急勾配の山々はそのまま直接海まで続いています。
したがって浅瀬、サンゴ礁、砂浜などの環境がとても限定されていて、海岸線の多くは岩礁によって占められています。
屋久島の生物相は黒潮の影響を強く受けているのが特筆すべき特徴です。
その海流は、珊瑚礁に棲む魚たちにプランクトンと栄養をもたらします。
屋久島は南方から多くの亜熱帯域の魚たちを運んでくる温かく強い海流「黒潮」のおかげで、比較的、生物の多様性が高い島です。
「黒潮」はフィリピンの東沖から流れ始め、台湾と琉球列島の西側を経由し、トカラ列島を東向きに流れていきます。
そして屋久島付近から北に向きを変え、南日本の太平洋岸に向かって流れていきます。
その海流は屋久島では南側の沿岸にそって流れるのですが、この時、屋久島周辺の海水の流れは季節によって、水温によって、風によって、向きも速さもコロコロ変わり非常に複雑です。
こうした複雑な海流は独特の魚類相を屋久島にもたらしています。